オレンジ色の校舎





たっちーは首を傾げながら教室へ向かった。麻衣、後は頑張…



「おぉ浅井、まだ学校に残ってたのか?」



振り返ると不適な笑みを浮かべた担任が。…なんだか嫌な予感。



「今から浅井に頼みたいことがあるんだが、快く引き受けてくれるよな?」



─────────…



「ありがとうな、浅井!もう帰ってもいいぞー」



辺りは、先生のスマイルとは裏腹に、オレンジ色の夕焼けもなく真っ暗い景色。



「暗いけど大丈夫か?」



「大丈夫です。てゆーか誰のせいでこんな遅…『RRRR♪』



「あ、電話だ。…もしもし。おぉ美優かー!」



電話のおかげであたしの主張は閉ざされた。…帰ろ。先生からもらったホットココアを左手に職員室を後にした。



たっちーと別れた後運悪く担任と会い、明日の会議の資料作成に付き合わされたのだ。



麻衣も誘いたかった、たっちーといい感じに話してたし…それに先に帰るとか言ってさ。



靴に履き替えて玄関を出た。…うわぁ、寒いや。






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