オレンジ色の校舎





マフラーを巻き直して校舎を後にしようとした時、体育館の電気の光が目に入った。



瀬川くん達、もう部活終わったのかな?でもまだ電気点いてるし…練習中かな?



…ほんのちょこっとだけ見てみてもいいかな?あたしは小さな好奇心を抱き、体育館へ足を進めた。



「さぁいけー!」


「ナイスサーブ!」



バレーシューズの音と掛け声がマッチする体育館。瀬川くんの姿を探す。…あ、見つけた。



「さぁ、頑張っていくぞーっ!」



瀬川くんは汗を拭いながらも、目はボールを追いかけていた。やっぱり誰よりもカッコいいよ。



あたしは、瀬川くんの姿を目に焼きつけて『除き見をしてすみません』と頭を下げた。すると、視界にあるモノを見つけた。



あるモノとは、瀬川くんのエナメルだった。慌てて部活に来たのかエナメルからは荷物が出ていた。整えようと近づいた時、



「……あ」



瀬川くんのエナメルから、可愛くラッピングされたチョコが顔を出していた。






< 50 / 574 >

この作品をシェア

pagetop