オレンジ色の校舎
マフラーを巻き直して校舎を後にしようとした時、体育館の電気の光が目に入った。
瀬川くん達、もう部活終わったのかな?でもまだ電気点いてるし…練習中かな?
…ほんのちょこっとだけ見てみてもいいかな?あたしは小さな好奇心を抱き、体育館へ足を進めた。
「さぁいけー!」
「ナイスサーブ!」
バレーシューズの音と掛け声がマッチする体育館。瀬川くんの姿を探す。…あ、見つけた。
「さぁ、頑張っていくぞーっ!」
瀬川くんは汗を拭いながらも、目はボールを追いかけていた。やっぱり誰よりもカッコいいよ。
あたしは、瀬川くんの姿を目に焼きつけて『除き見をしてすみません』と頭を下げた。すると、視界にあるモノを見つけた。
あるモノとは、瀬川くんのエナメルだった。慌てて部活に来たのかエナメルからは荷物が出ていた。整えようと近づいた時、
「……あ」
瀬川くんのエナメルから、可愛くラッピングされたチョコが顔を出していた。