オレンジ色の校舎
3.ホワイトデーの苦さ





そして、あのバレンタインも過ぎて、3年生になる期待を浮かべていたある日の昼休み。



「ハイ、浅井」



あたしの目の前にはなぜだか、たっちーがいた。そして、理由はさっぱりわからないが小包を渡された。



「…あの…これ、何?」



「決まってんじゃん。お返しだよお返しっ」



「え?お返し?…あたし何かあげた?」



「何言ってんだよ。バレンタインにチョコくれたじゃんっ」



チ、チョコ!?悪いけど、たっちーに?あげた記憶ないよ?瀬川くんへのチョコじゃないよね?



「…ひ、人違いじゃない?」



「人違いなわけないじゃん。それにちゃんと永納から聞いたんだぞ?永納と浅井からチョコだって」



………WHAT?どういうこと?麻衣からチョコ?あたしと麻衣から?



あたしは隣にいた麻衣をじぃっと見つめた。






< 53 / 574 >

この作品をシェア

pagetop