オレンジ色の校舎
3.ホワイトデーの苦さ
そして、あのバレンタインも過ぎて、3年生になる期待を浮かべていたある日の昼休み。
「ハイ、浅井」
あたしの目の前にはなぜだか、たっちーがいた。そして、理由はさっぱりわからないが小包を渡された。
「…あの…これ、何?」
「決まってんじゃん。お返しだよお返しっ」
「え?お返し?…あたし何かあげた?」
「何言ってんだよ。バレンタインにチョコくれたじゃんっ」
チ、チョコ!?悪いけど、たっちーに?あげた記憶ないよ?瀬川くんへのチョコじゃないよね?
「…ひ、人違いじゃない?」
「人違いなわけないじゃん。それにちゃんと永納から聞いたんだぞ?永納と浅井からチョコだって」
………WHAT?どういうこと?麻衣からチョコ?あたしと麻衣から?
あたしは隣にいた麻衣をじぃっと見つめた。