オレンジ色の校舎
「すまんな。寂しかったか?」
「……んな感情はねぇよ」
素直になればいいのに。隣に座る高校生男子は口を尖らせながら、拗ねて言った。
「それにしても6日も眠ってたのかー。俺もすごい奴だ!」
「関心してる場合じゃねぇよ」
「一刻も早く仕事をしなくちゃ」
「だから安静に…」
コンコンッ
「カズ、入るぞ?」
ノック後、小声で問いかけたたっちーだったが、トシさんの姿を見た途端、
「おっ、意識が戻ってる!」
と叫んだ。それからぞろぞろとみんなが入ってきて、意識があるトシさんと対面することになった。
「おぉ、君たちも私の看病に?」
「はい、あっ初めまして!おじさんなかなか目を覚まさないんで、めっちゃ心配しましたよーっ」
「すまないね。自由な時間を割いてまで…」
「大丈夫です!あたし達自由登校だし、何もしないよりトシさんの看病を…と思っただけですから」