オレンジ色の校舎
それからも尽きることがなく、他愛ない話は続いき、
「浅井さーん、失礼します」
ノック後に大人の人の声が聞こえた。すると、医師ではない複数の男性がいた。
「意識が戻ったって聞いて、飛んで来ちゃいましたよ!!」
「お前ら!来てくれたのか?」
「いや、何回も来たんスよ!でも浅井さんはずっと眠ってましたけどねー」
あたしは会ってないから、一馬くんが1人の時に来たのかな?
「ほら、言ったでしょ浅井さん。働き過ぎは良くないって。俺の忠告にも構わず仕事してさー」
「はい。すまんかったな」
ゲラゲラ笑いながら話す大人達は同じ会社の人らしい。
「てゆうか浅井さん、こんなに可愛い高校生の友達もいるんスか?幅広い付き合いっスね!」
「だろ?たった今、友達になったんだよな、たっちー!」
「たった今?友達になんの早すぎっスよ!」
どんどんトシさんに笑顔が戻っている。一馬くんはみんなに見えないように、嬉しそうな顔をした。
「……出よっか?」
麻衣の言葉に小さく頷き、大人達と仲良く戯れるたっちーを引っ張り出した。