オレンジ色の校舎
そして、麻衣と楓ちゃんに瀬川くんも来て、みんなで病室を整理した。
「ありがとうございました!」
退室時にトシさんが大きな声を張り上げ、近くにいた看護師さんがジロッと睨んだ。
一馬くん家までの交通手段はバスで、トシさん+高校生6人がセットがバスに乗り込んだ。
運転手をはじめ、他の乗客から好奇の目を浴びたが、大家族みたいで楽しかった。
「久しぶりのWAGAYA!」
トシさんはすっかりハイテンション。一馬くんはそんな父親を前にして頭を抱えていた。
「みんな上がって上がってー」
「親父、こんな団体入れねー。俺たちは外に行くから、ゆっくり休んどけ」
「えー。お父さん寂し…」
「絶対に仕事には行かないこと」
そして、病院の荷物も放り込んでトシさんは家に入れられた。ちょっと可哀想だけど。
「大丈夫かよ、親父さん」
「あぁ。病み上がりのくせにテンション高過ぎんだよ」