オレンジ色の校舎





そして瀬川くんはあたしが泣き止むまで、隣で頭を撫でていてくれた。でも、余計に涙をそそるんだけどね。



あたしが落ち着いたら2人で体育館に向かった。バレー部の後輩が待ちくたびれていた。



あたしはイスに座って、バレー風景を見ていた。



瀬川くんがスパイクを打つ姿。汗を拭う姿。後輩と笑い合う姿。こんなに間近で見るのは初めてで、ドキドキした。



同時に、やっぱりカッコいいなって思った。楓ちゃんや鈴木さんがバレー部の瀬川くんを好きになるのもわかる。



でも、2人ともごめんなさい。あたし、また瀬川くんの彼女になっちゃいました。



「浅井っ!」



呼ばれた方を向くと、1つのボールがあたしの顔面に直撃。



「い、痛…」



「浅井悪いっ!大丈夫か?」



「うわぁ瀬川先輩、彼女さんを狙うなんてヒドイっすよ」



「お嫁に行けなくなったらどうするんスかー?」






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