オレンジ色の校舎





すると、ギャーギャーはやし立てる後輩達に瀬川くんが言った。



「そうだな。そん時は…お前らが嫁にもらえっ」



「えー!?いいんスかっ!?」



ちょちょちょーい。そこは俺が嫁にもらう…とかいう言葉を期待しちゃったんだけど。



さすがにないよね、うん。



───────…



「あーっ、疲れた」



辺りはすっかりオレンジ色に染まる時間帯になっていた。



「瀬川くん」



「ん?」



「やっぱりカッコいいねっ」



瀬川くんがバレー中、心に決めたんだ。素直になるって。思ったことは素直に伝えるって。



「浅井、やっぱりボールが当たっておかしくなった?」



「違うよ。ただ…素直になりたくて。ちゃんと素直になれば、きっとすれ違いも少なくなるはずでしょ?」



「浅井…」






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