オレンジ色の校舎
「ふぅ…あのガキ共は置いといて無事、卒業したね」
「うん。でも、麻衣やみんなと離れちゃうね…」
「また集まればいいよ、な?」
「瀬川くん…そうだねっ」
目の前に座る瀬川くん。あたし達はあれから順調に歩んでいる。
相変わらずドキドキは収まらないけど、瀬川くんの隣にいれるのが嬉しい。
「あーあ。あん時に遥を離さなかったら、まだ俺の彼女だったのにな」
冷水を飲みながら一馬くんが呟いた。きっとあのまま一馬くんの彼女だったら、余計に一馬くんを傷つけてた。
「悪いな、カズ」
「朱希、ニヤけんなよ」
「ニヤけてなんか…」
「ま、彼女じゃなくなった代わりにいいモンもらったけどな」
あたしを見てニヤリと笑った一馬くん。
「浅井くん、それどういう意味なの?」
意外にもあの麻衣が興味を示している。……なんだか良からぬことっぽい。