オレンジ色の校舎
誤解だよ!キスはしたけど、く…唇にはしてないのに。
「あのね、瀬川く…」
「浅井」
「は、はひ…」
え?
立ち上がるのかと思ったら、瀬川くんがあたしの頭を引き寄せて…瀬川くんの唇があたしの唇に触れた。
触れるだけの、キス。
「……これでカズとの、チャラ」
え?えええ?今、瀬川くんと…キスしちゃった?それにみんなもフリーズしてる。
「ご、誤解だよ」
「え?」
「あたし…一馬くんのほっぺにキスしたの。だから……口にはしてないよ?」
「………マジで?」
「やん。朱希ちゃんったらエッチーっ!」
そこでたっちーの発言が邪魔してきた。瀬川くんは顔を真っ赤にしながら、たっちーを叩く。
「ちょっと、予想外だったんだけどっ!!」
楓ちゃんも顔を赤くしながらあたしと瀬川くんを交互に見る。