オレンジ色の校舎
『う、うん』と苦笑いをしながら手紙を開く麻衣。これって…もしかしてもしかしてっ?
「………コレ、あたしじゃない」
「え?」
「たっちーからの手紙、あたし宛じゃないよ」
そう言って、あたしの方へ手紙を押しやる麻衣。え?あたしは手紙を読んでみた。
『浅井へ
バレンタインありがとう。
あのさ、放課後用事ある?
何もなかったらに教室に来て』
最後まで読んで麻衣を見た。いつもの麻衣らしさがなかった。
「……呼び出されたね、遥。まったくたっちーったら手紙、入れ間違えるとかバカでしょ」
「麻衣…」
「あたしのことは気にしないで。軽はずみでチョコ渡しただ…」
「ねぇ麻衣、最後まで読んだ?」
あたしの言葉に首を傾げる麻衣。麻衣の目の前に手紙を出す。
『P.S.永納にも来てって伝えて』
「え……?なんで2人とも?」