オレンジ色の校舎





「だ、だってカズがキスって…」



「俺は唇に、とは言ってねーし」



「………っ!」



「バーカ。これが俺からのお祝いだ。遥、嬉しかったか?」



あたし…キスされちゃった。瀬川くんから…みんなの前で…



「浅井くん、あんまり遥をいじめないでよ?ゆでダコみたいになったじゃない」



「悪い悪い。やっぱり遥への片想いは当分、断念できねーな」



「こんの…許さねーぞ、カズ!」



部屋を出た一馬くんを追う瀬川くん。続いてたっちーと楓ちゃんもも追いかけて行き、あたしと麻衣だけになった。



「まぁ、卒業記念にいいモノを見せてもらったわ」



「も、もぉっ。一馬くんの挑発のせいで…」



「よかったじゃない?誤解が生んだサプライズ」



「み、みんなの前とか…」



恥ずかしすぎるよ。それに楓ちゃんもいたんだ。きっと傷ついちゃってるよ。



「楓、喜んでたよ」



「え?」



「大好きな2人だから、許せるんじゃない?」






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