オレンジ色の校舎
「…ビックリしたし、恥ずかしかった」
「……悪い」
「だけど、嬉しかったよ」
「カズとキスしたのに?」
「…い、いろいろあってほっぺにしただけで…」
「それでも…妬くんですけど」
ねぇ瀬川くん、あたし達が3年前に別れたことは間違ってなかったんだね。
素直になれなかったあたし達がいたから、不器用なあたし達がいたから…今笑い合えてるんだね。
「瀬川くん…」
「ん、何?」
「手、繋いでいい?」
「どーぞ」
「あたし、一馬くんとは手、繋がなかったんだよ?」
「なんで?」
そんなの……決まってるじゃん。
「……だって、あたしの隣には、瀬川くんしかいないから」