オレンジ色の校舎
放課後、空席ばかりの教室で麻衣と2人、まだかまだかと待ち構えていた。
「あ、ごめんなー!」
ドアの方には、勢いよくドアを開けたたっちーの姿があった。
「ったく、どんだけ待たせんの」
「あははー、悪い悪いっ」
ツンケンしつつも、緊張した顔をしている麻衣の表情が面白くて仕方がない。
「で、たっちーはあたし達2人に何の用?」
「あ…あのさ、永納には悪いんだけど、ちょっと浅井と2人きりにしてくれるか?」
「え?」
たっちーの言葉を聞いて、麻衣の顔が一気に曇った。あ…あたし?たっちーがあたしと2人きり?
「わ…かった。あたし廊下にいるから」
あたしの目も見ず、教室から去った麻衣の背中がとても小さく見えた。
「…あーもぉー…」
「たっちー?」
イキナリのたっちーの発言に首を傾げた。