オレンジ色の校舎
「ご、ごめんな浅井っ。そんなにのど飴が嫌だったんだなんてな」
泣きじゃくるあたしの肩を優しく撫でてくれる瀬川くんに、俯きながら首を振るあたし。
のど飴だって嬉しい。あたしの風邪に気づいてくれて嬉しいの。瀬川くんは悪くない…悪くなんかないの。
あたしが…あたしがいつまでも瀬川くんを想ってるせいなの。
あたしはいつも…いつも瀬川くんを困らせてばかりなんだ。
瀬川くんだってうんざりなはずなのに、チョコのお返しもわざわざしてくれるから…
あたしはいつまで経っても、瀬川くんへの想いを消せないよ。
うっすらと見えた足元には、窓から差し込むオレンジ色の夕日が溢れていた。
ありがとう、瀬川くん。
そして…いつもごめんね。