オレンジ色の校舎
「それでそれでっ?麻衣は引き受けたの?」
「…あんなに泣きすがれちゃほっとけないっつーの」
ふぅっとため息をつく麻衣には悪いけど、やったね、たっちー☆麻衣と勉強が出来るねっ。
「なんか…期待して損した」
さっきよりも切なく窓の外を眺める麻衣。麻衣、損なんてしてないよ。むしろラッキーじゃん。
いつかきっと…たっちーは麻衣に気持ちを伝えるよ。
それに麻衣だって、自分の気持ちがたっちーに向かってるって気づいているはず。でも、あたしは応援してるから言わないけどね。
「あ、瀬川くんじゃん」
さっきまでの態度とは違い、ニヤニヤしてあたしを見た後、窓を指差す魔の麻衣。
あたしは一気に昨日の放課後を思い出した。