オレンジ色の校舎
4.3年目の片想い





「いってきまーす」



玄関を開けた瞬間、思わず目を瞑りたくなるほどの太陽の光を受けた。



あたしは今日から、高校3年生になる。着なれた制服に身を包んでるけど、なんだか新鮮な気分。



新しい日々が始まるということに胸が高鳴る。進む足が早まる。顔がふにゃーってなる。



「あっ、おはよう遥!早く見に行こうよ」



学校に着くと、あたしを見つけて手をあげる麻衣。あたしは頷いて麻衣の後を追う。



そう、あたし達は今から、クラス替えの貼り出しを見に、掲示板のところへ行くのだ。


「…てかうっわー、人が多くて全然見れないじゃん」



だが…予想以上に掲示板の前は人で溢れていた。だけど麻衣はズンズン進んでいく。



「んぐ…ほ、本当だ。ま、麻衣ぃあたし苦し…」



麻衣みたいに身長が高くないあたしは、麻衣の制服の裾を掴んで進むのが精一杯だった。






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