オレンジ色の校舎
1組から順に見ていく。1人1人の名前を見るたびに、ゴクッと唾を飲み込む。
せ…瀬川朱希…くん
心の中で震えながら瀬川くんの名前を唱えていた時だった。
「……あ」
あたしは、瀬川くんの名前を見つけた。
「ん?名前見つけた?」
「う…うん」
あたしは麻衣に笑顔を作ると、人混みの中をすり抜けて掲示板から離れた。
「ちょ……は、遥っ?」
あたしがあまりにも慌てて走り出したからか、麻衣が心配そうな顔で追いかけて来てくれた。
「…遥、大丈夫?」
「うん。ありがとう、麻衣」
「で…どうだったの?瀬川くん何組だった?」
「…だった」
「え?」