オレンジ色の校舎
「せ…瀬川くん…2組だった。今年も同じクラスだよぉ」
あたしは嬉しさを噛み締めて、ピースサインをした。麻衣がふふっと笑った。
あたしがダッシュで掲示板から離れた理由は、嬉しすぎてその場に立っていられなかったからだ。
「…ふふっ、やったぁ」
再び喜びを噛み締めた。
「遥ったら、めちゃくちゃ嬉しそうな顔しちゃっ…てかあんた泣いてる!?」
「だって…嬉しすぎだもん。嬉し泣きだよー」
昨夜、夜空で微笑む星に何度もお願いしたんだ。『瀬川くんと同じクラスになれますように』と。
「まぁ、これで卒業まで授業中、瀬川くんのこと見つめ放題だね」
「み…見つめ放題だなんて…」
「あ、瀬川くんとたっちーだ」
麻衣の言葉に、あたしは慌てて振り返った。