オレンジ色の校舎
「永納と浅井ーっ」
たっちーが両手を振りながら、あたし達のところへ走ってきた。麻衣を見ると呆れた表情をしてる。
「クラス表見たかっ?」
「はぁ…見たよ。あたしと遥と瀬川くんは同じクラスだって」
「ちょ…待てよ。俺も一緒なんだけど!」
「「え!?たっちーも?」」
あたしは麻衣と顔を見合わせた。あたしと麻衣と瀬川くんだけじゃなくて、たっちーも一緒なんて。
「2人ともぉ、気づいてくれなかったのかよ」
「たっちーが瀬川くんほど存在が無かったからなんじゃない?」
「な…永納ひどっ」
ツンツンする麻衣にオロオロするたっちー。やっぱり2人の組み合わせは面白いよ。
「…浅井、3年でもよろしく」
あたしを見て優しく微笑む瀬川くんに、キュンときてしまった。
「あ…あたしこそよろしく」
3年目の片想いが始まった。