オレンジ色の校舎
「あんなヘマするなんて、遥らしい」
休み時間、麻衣からノートを借りて、必死に英語の内容を書き写した。
「バカにしてっ。あたしは恥ずかしくて仕方なかったんだよ?」
「はいはい。でも、瀬川くんもかなりウケてたよ」
「うっそ。じゃあ…さっき笑ってたのって…」
もしかして、あたしが面白かったから笑ってた、とか?やだ、瀬川くんにも笑われちゃったよ。
「遥、そんな不細工な顔しない」
麻衣が捨て犬を見るような目で見てくる。あたしは『この顔は生まれつきっ』と言い張った。
だって…好きな人に笑われちゃったんだよ?コイツバカじゃんって絶対思われたよ。
あたしはショックを受けつつも、ノートを写す手を止めない。
「あ…そう言えば遥、24日予定ある?クリスマスイブなんだけど空いてる?」
「ううん。今んとこ予定ないよ」
そっか。12月だし、もうすぐでクリスマスじゃん。高校生活って早いなぁ。