オレンジ色の校舎
「勝手に手伝いでもさせられとけばいいじゃん、赤点ヤロー」
「な…永納ぁー」
「帰るよ、遥」
そしてあたしは麻衣に引っ張られながら、たっちーの嘆く姿を見送ることになった。
「ったく、ムカつくんだから」
「…麻衣、たっちーと何かあったの?」
ブツブツ言いながら玄関へ向かう麻衣に聞いてみた。
「もぅ、何かあったのよ。聞いてくれる?…あ、ラブリーに着いてからでいいや」
そう言った麻衣に続いて靴を履き替えていると…
「お前絶対バカだろー?」
「マジあり得ねぇっ」
近くの廊下で、数人の男子と話をしている瀬川くんが目に入った。部活着に着替えてるってことは、今から部活かな?
『部活、頑張れ』
そう心で唱えた瞬間、あれ…?瀬川くんがこっち見てる?いや、見てるよね?