オレンジ色の校舎
どうしよ…今の心の声が聞こえちゃったのかな?どどどどうし…
「遥何してんの?帰るよー」
不思議そうにあたしを見る麻衣。あたしは「今行く」と返して再び瀬川くんを見た。
「………っ」
すると、瀬川くんが男子に紛れながらもあたしに手を振っていた。そして口パクで言ったんだ。
『 ま た あ し た な 』
あたしは、首が取れちゃうじゃないかってくらい一生懸命頷いた。そして小さく手を振り返して、さっと玄関を後にした。
む…無理。あんなことされたらしんぞーがもたない。…だけど嬉しかったなぁ。
あたしに気づいてくれた。それが嬉しかっ…
「遥ちゃーん?瀬川くんとのテレパシーは終わったかなー?」
一瞬にして現実に引き戻された。あたしはラブリーに着くまで赤面しながら、麻衣の隣を歩いたのだった。