オレンジ色の校舎





付き合っていても、瀬川くんは本当にあたしのことが好きなのか不安だった。



瀬川くんが、こんなあたしと付き合っていていいのかなって何度思ったことか。



だけど、丁度その不安と戦っていた時だったんだ。



『…もう、別れよっか』



瀬川くんから別れを告げられた。ショックは大きかったけれど、でもこれでよかったのかなって思った。



これなら瀬川くんの重荷がなくなるって思えたから。



ラブリーのお店の窓から、桜の木が見えた。花びらが優しく舞っている。



あの時と同じ桜に見えたんだ。あたしと瀬川くんが別々の道を歩み始めたあの時と同じ。



だからかな?ラブハンを食べていても…切なさが蘇ってきたのは。



あの時から…中学3年生の時から月日は経っているのに、胸の切なさはいつまでも…消えないね。






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