オレンジ色の校舎





「う…うそー!?あたし今日傘持ってきてないよ!」



「あら、可哀想な遥ちゃん」



「ま…麻衣ー、お願いっ!」



「仕方ないから入れるわよ。その代わり今度ラブハンおごってね」



傘に入れてもらうだけで、ラブハンをおごるなんて…麻衣ったら嫌な奴ー。あたしは渋々頷いた。



「でも…麻衣、今かなり晴れてるよ?本当に雨降るの?」



「未来は何が起こるかわからないじゃん」



確かにそうなんだけど。そう思っていると、校庭でサッカーをしていた男子達が帰ってきた。



「マジあっちー。ウェルカム太陽って感じ!」



「健真訳わかんね。でも夏みたいに暑かったな!」



たっちーの意味不明な発言に、タオルで汗を拭きながら対応する瀬川くんは…やっぱりカッコ良かった。



────────放課後。



「うわぁ、ビンゴ」



あたしは窓の外に映る空を見て呟いた。麻衣の言った通り、只今案の定雨が降っています。






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