国王はお怒りらしい
一般庶民、河名基宏
いつも通りの時間に目が覚めた。目覚ましを必要としないのが唯一の自慢かもしれない。そんなことを思った僕は、愛用しているベッドから出て、一日の始まりを歌っているかのような音を出すカーテンを開け、何も変化しない風景を見下ろす。6階の高さから見たら、早起きのランニングおじさんも、忙しそうなスーツのお兄さんも、ジャージを着てバスに乗る高校生も、皆取るに足らない存在。僕の観察対象になれるわけがないのさ。とか、イカれた科学者の真似をする一般的な高校生。
昨日磨いた窓から陽射しが降り注ぐ、現在午前7時00分三十…六秒。
朝食にこだわりがある。トーストの上にチャーハンを乗せること。常にチャーハンを作り置きし、冷蔵庫に保存してある。一人暮らしになってもう3年と少し。普通なら味噌汁から野菜炒めから煮物までレパートリーが増えるのだろうが、元より増やすつもりなどない。僕は人間よりチャーハンの方が仲が良かった。
昨日磨いた窓から陽射しが降り注ぐ、現在午前7時00分三十…六秒。
朝食にこだわりがある。トーストの上にチャーハンを乗せること。常にチャーハンを作り置きし、冷蔵庫に保存してある。一人暮らしになってもう3年と少し。普通なら味噌汁から野菜炒めから煮物までレパートリーが増えるのだろうが、元より増やすつもりなどない。僕は人間よりチャーハンの方が仲が良かった。