Door

想い人

あれからいつの間にか寝てしまって
起きたらすでに裕子はいなくて
机の上に置手紙がおいてあった。



“愛子へ”

私、先に帰るね。
日曜は彼氏とデートだから。

だけど本当はね
私なんかいたらじゃまになっちゃうから
最後に助言をしとく。

私は話なら聞けるけど
あとは何もできない。

頑張って前に進んでね!
報告は待ってる!

裕子



「裕子らしっ。」

思わず笑ってしまうほど前向きな手紙。
裕子らしくてなんだか笑えてしまう。



―ありがと。
いっつも助けられてばっかりだけど
今度はちゃんと向き合ってみるね。


そして私は彼と向き合う決心をして
ずっと電話に出なかった履歴から
ダイヤルをした。
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