Door
「私、海斗のこと…」

『あああ!!!ちょっと待って!!!
心の準備できてない。あと10秒待って。』

焦って深呼吸し出した海斗を見て、
やっぱ可愛いと思ってしまう。



「…好き。」

消えそうな声で、もしかしたら気づいてないかもしれないけど、
それくらい小さな声で私は言った。

海斗はただ、だまって私を見ている。

『愛子…。』


「好きだから、怖かった。
また、離れて行ってしまうのが、怖くて。
だからさよなら、するつもりだったの。
今までずっとそうして逃げてきたから。
でも、忘れるの、無理だった…。」

気づいたら涙が止まらなくて
海斗の顔を見ることすらできなくなっていた。
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