Door
「あ、傘。」
と思ったのはもう遅くて
マンションに置いてきたのを思い出した。
相変わらずサーっと降る雨はまったくやまない様子。
だけど、自分の気持ちに必死に蓋をして出てきたマンションには戻れなくて
近くのコンビニまで走って、傘を買った。
何気なく時計を見たらもうすぐ23時になるところだった。
―今日は長かったなぁ。
そういえば今日は仕事を終えて、久々に会える彼のマンションに直行したんだった。
それからいつものようにテレビを見ながら、作った料理を一緒に食べて
ただ笑いあって、それがずっと続いていくって信じていたんだ。
きっと私は彼に甘え過ぎていたから、彼の気持ちになんて全然気づかなかったんだ。
なのに彼はいつだって悲しいとき、つらいときは何も言わないで寄り添ってくれていた。
―もっと早くに気づいてあげればよかったな。
今考えてみたら、急に仕事が長引いたり、急に休日会えなくなったりしたことも彼女のことだったのかな。
バカみたい、バカみたい。
どうして彼をずっと信じていたんだろう。
そんなことなら最初から「好き」なんて言わなきゃよかった。
と思ったのはもう遅くて
マンションに置いてきたのを思い出した。
相変わらずサーっと降る雨はまったくやまない様子。
だけど、自分の気持ちに必死に蓋をして出てきたマンションには戻れなくて
近くのコンビニまで走って、傘を買った。
何気なく時計を見たらもうすぐ23時になるところだった。
―今日は長かったなぁ。
そういえば今日は仕事を終えて、久々に会える彼のマンションに直行したんだった。
それからいつものようにテレビを見ながら、作った料理を一緒に食べて
ただ笑いあって、それがずっと続いていくって信じていたんだ。
きっと私は彼に甘え過ぎていたから、彼の気持ちになんて全然気づかなかったんだ。
なのに彼はいつだって悲しいとき、つらいときは何も言わないで寄り添ってくれていた。
―もっと早くに気づいてあげればよかったな。
今考えてみたら、急に仕事が長引いたり、急に休日会えなくなったりしたことも彼女のことだったのかな。
バカみたい、バカみたい。
どうして彼をずっと信じていたんだろう。
そんなことなら最初から「好き」なんて言わなきゃよかった。