Door
電車を乗り継いで、駅を降りたらさっきよりも強くなった雨と
冬の木枯らしがいっそう冷たくなっていた。


だけどもう傘をさす気にもなれなかった。
雨で涙も流れてしまうように
ただ、ひたすら歩いて家まで帰った。

帰ってから冷たい雨の日に彼がよく入れてくれたココアを飲んだけれど
全然心は満たされなかった。


さよなら。
雨も彼も。

< 6 / 50 >

この作品をシェア

pagetop