Door
それからどれくらい経っただろう。

川沿いの部屋から夕焼け色に染まった空を見て
もうすぐ一日が終わることを実感した。

大掃除は意外とテキパキと進んだ。
とにかく目につくものから次々処分した。



中でも海や川や、この間一緒に見に行ったツリーや
旅行した温泉など楽しそうに写っている写真はたくさんありすぎて
アルバム30冊くらいになっていて驚いた。


そして買ってくれたペアリングも、ゴミ袋に入れたら
カランと金属の音がして、ゴミ袋越しに床へ落ちていった。



―これで、これでもう全部おしまい。


もう、私はこれ以上傷つかないように、傷つけられないように
この日、そっと心のドアを閉めたんだ。
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