たばこの匂いとあなた

響の言う目的地はさほど遠くはなかった。


でも華月はしんと静まりかえったこの林には一度も来たことはなかった。


少し林の中を進むと



「ここ、俺しか知らないから秘密ね。」



そう言って人差し指を口許に当てた。



林をくぐり抜けると目の前には広いスペースがあり、

まわりは桜の木で囲まれていた。



360度ピンクで囲まれたこの景色を、
華月は初めて見た。



「わぁっ~…


きれい…。」



華月は思わず見とれた。



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