たばこの匂いとあなた
華月の目からは涙があふれた。
もう限界だった。
新田響は隼人じゃない。
そう思っても目の前の響は隼人にそっくりで、もう涙をこらえきれなかった。
あふれだす涙はとめることができない。
「ごっ…ごめっ…なさい。」
「泣いてもいいよ。
今日ずっと思ってた。
見る度に泣きそうな辛そうな顔で、いっそ我慢しないで泣いたほうがいいって。」
そして泣きじゃくる華月を自分の胸に抱き寄せた。
「奥村さんの求めている人にはなれないけど、
せめて今だけはその人の代わりをさせて?」
ああ…
どうしてこの人は私のことわかってくれるんだろう
ずっと泣きたかった
ずっと
今はない隼人の温もりが欲しかったんだ