たばこの匂いとあなた
華月は外に出ると朝のすがすがしい空気を思いっきり吸い込んだ。
「んーっ!
気持ちいなあ。」
大きく伸びをして学校へと歩きだした。
そして毎日の日課となったタバコを吸うために、
いつもの路地裏に入ろうとした。
「奥村さん!」
いきなり名前を呼ばれ振り向くと
そこには響がいた。
「奥村さん、おはよ。」
華月は昨日の姉の顔を思いだした。
「あ…。
おはよ」
響はなんとなく華月の様子が違うことに気づいた。
いまの華月は響とあまり目を合わせず元気がない。
「なんかあった…?」
響に話しかけられ華月はブンブンと首をふって否定した。
(関わらないと決めても、
唯一学校で声をかけてくれた
響と友達でいたい。)
「ううん!
なんでもない。
新田くんこそ朝早くどうしたの?」