たばこの匂いとあなた
「それならいいけど…。
俺はバイトの帰り!」
「えっ?バイト?」
華月はマジマジと響をみた。
「そっ!
実は俺一人暮らししてるんだ。
だから毎朝新聞配達のバイトしててさ。」
「一人暮らしなの!?」
聞いてから華月は思った。
(つい聞いちゃったけど、なにか家庭の事情とかあるんだろうな…)
うつむいた華月がはなにを考えているのかを察して、
響は笑いながら言った。
「学校から家が遠いからしょうがなくね。
バイトは俺ん家、母子家庭だからやってるだけだよ。」
華月は響が自分から話してくれたことに驚き、
申し訳なく思った。