たばこの匂いとあなた
華月は慌てて否定した。
「そんなことない…。
こんな病弱だから友達もいないし。
美人ていうのもみんなの想像だよ!」
そう言ってうつむいた。
「じゃあ俺ら今日から友達な!」
そう言って手を差し延べられた。
その言葉に華月はびっくりして響の顔を見た。
反応のない華月に響は焦って手を引っ込めようとしたが、
その手は華月に握られていた。
「ありがとう。」
華月は高校で初めてできた友達に満面の笑みを向けた。
その笑顔は目の前の桜のように、
少し儚げでとても綺麗なものだった。
響は初めて見た華月の笑顔に耳まで真っ赤になり、
口許に手をあてた。