たばこの匂いとあなた


入院して一週間…


私は出される食事にも手をつけず、日に日に痩せていった。


そんなときだった。

東堂先生がお見舞いにきてくれた。


「華月…久しぶりだな。

ちゃんと飯くってるか?」


そういう先生も最後に見たときより痩せてしまって、

元気がなかった。


私は無表情で先生を見たままで答えなかった。


先生のやつれた顔からは、

一番の親友である隼人を失った悲しみが伝わってきた。



「隼人は幸せだったよ。

俺に会う度に華月のことを嬉しそうに話してた。

華月に出会ってから毎日楽しいって。」



私は無表情なのにいくつもの涙が頬を伝った。



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