たばこの匂いとあなた


先生がお見舞いにきてから二週間後、私は退院した。


前より食事をとることができ、すこしは回復した。



私は病院を出てから隼人の家へと向かった。


見慣れた景色、


見慣れ町並み、


そして隼人との思い出のマンション。



でも違うのはもう隼人がいないこと。



いつものようにエレベーターで8階まで上がった。



隼人の部屋が近くなる度に蘇る思い出。


何度も泣きそうになりながら部屋へと向かう。




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