たばこの匂いとあなた


中はガランとしていて家具も何もなかった。


たぶん隼人の家族が持っていったんだと思う。


私は寝室へと足をすすめると隼人の言葉を思い出した。



『ベッドの下にクリスマスプレゼントを置いといた』



私はまだプレゼントがあることを祈りながらベッドの下をみた。



そこにはリボンのついた小さな箱とメッセージカードがそえられてあった。


メッセージカードを開くと


『Merry X'mas 華月

愛してる』


たったニ行なのに隼人の思い出や最期を思い出して嗚咽をもらしながら泣いた。




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