six bottle
「ダメー!」



フェンネルは止めをさせなかった。




空中で回転し降りていく。
「何故?そんな…。」



獣を庇う?




再び剣を構える。
カチリと冷たい音がする。

「お願いフェンネル止めて…。」



ヒュっと裂ける。






絡まる糸が弛んだ。
エルダーは持っていた小さな回復薬を蜘蛛に飲ませた。





火傷が治る。






「余計なことを…。昔…同じことを言っていた巫女に似ている…。」
蜘蛛カスターはしゃべった。






「巫女?…。名前は?どんな人?」
母さん…。私が産まれて死んじゃった…。会いたいよ。







ざわざわ太古の樹が揺れている。






「今度は何?!」






揺れは強くなり森の樹が次々倒れる。






頭上の樹が倒れ、フェンネルとエルダーを別つ。




「エルダー!…。くそっ!」





砂ぼこりで視界が悪い。






エルダーは目を開けた。地震は止まっている。
エルダーの上には蜘蛛がいた。
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