six bottle

アクアアドミナビリス

「確かに…。街があるはず…。なんだか嫌な予感がする。」






タイムは紫の狼に目配せすると素早くどこかに消えてしまった…。






「なんか…。寒いね…。」






火に薪をたしながらセージは何か考えごとをしていた。






「ねぇ、聞いてる?セージ?」






「えっ?ごめん。何?」





「うぅん、何でもない…。」






なんか…。話しかけずらい。いいや。






アナに寄りかかると布がかけられた。
黙ってセージに甘えた。





湖は月を移している。






「気をつけな…。アンタのにおいによって来る…。よって来る…。とても清らかな血を持つものよ…。」






頭に流れている。声が…。そのまま、まぶたが重くて…。閉じた…。






セージは火を見ている。
何考えてるの?






また…。無茶しない?






言葉にできなくて…。
そのまま寝てしまった…。





「石に光が宿りつつある…。」老婆はぽつりぽつり呟いた。






夜中の星が美しく、流れ星は光の線を描く。
「石は磨けば磨くほど輝きを増す。たとえそこらの礫でも、塵のような黒い石も…。」





パチパチと炎が赤くなる。





「石は選ぶ…。選ばれた者に試練を与える。磨かれた光の剣に光宿れば闇を貫く武器となる。負ければ光は消え闇に潜む。結びは再びつながろう…。」






セージはそれを聞いていた。





「大地に生まれし子らよ。選べ地から生まれた種を…。渦をつくれ…。」





炎に薬草や実を入れた。
音をたてキラキラ光砂が煙と共に空へ立ち上る。強い香りが辺りを包んで四方へ飛んだ。





「待っているよ…。子供達…。手助けしよう子供達…。」






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