six bottle
ウォーン!





足音が聞こえ、狼がすりよってきた…。
「ゼロ…。」






肩には紅い鳥…。
皆に心配かけた。





地響きがどこからか聞こえるのは気のせいだろうか?





「逃げろ!」




空が陰るとヒョイと抱き上げられた。





「えっ…。なんでここに!フェンネル…。」





お姫様抱っこで空に舞い上がる。





ゼロはセージとアナを高い所に避難させる。





ミントは紅い角の使い獣に二人を抱えてかけ上がる…。





ごごごごご…。




「あれは何?」





指差した先には海がせりあがる。





「厄災…。いずれオレンは海に消える。」





その中に…。波に乗りながら進むきらきら光るものが…。





船…。帆には白い花が見えた。





「パルザめ!」




「パルザ?」





憎々しくミントは叫ぶ。
「海賊だ!」





盗賊に海賊…。




「水溜まりの上はどうやって進んでるのかな?」




セージが頭を抱えていた…。





「フェンネル?」




「…。なんでもない。」




「ヒューレッ!」





ヒューレッに飛び乗り海賊船を見に行く。
セージは心配そうな顔をした。
「大丈夫見るだけだから!」





大地を水が削り取る。




フェンネルが後ろからついてくる。
なんだか嬉しくて横に並んで飛んでいく。






「ありがとう。」






「…。」





返事はなかったけどニッコリと笑った。
一緒に飛んでるのが楽しくて。





船は何やら騒がしい。
大波に乗りながら…。何かを積み込んでいた。





騒然としているなかに派手な帽子を被った男が叫んでいる。





収まりの悪そうな赤毛に片目が…。





「金色…。」





そう呟いたら…。





こっちを見上げる帽子の男…。何かを叫んでいる。





次には黒い物体が飛んでくる。





「気をつけろ!」





「何あれ!」





急旋回で避けるも次々飛んでくる。





ニヤリッと笑ってこっちを見ていた。





反撃しようと魔法薬を開けようとしたら…。
白い影に花が見えた。





「あっ…。」





シャラン…。シャラン…。





「また…。この…。」





眠い…。意識が引きずられる。




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