six bottle
********
船蔵宝物庫…。
封印の壷が割れていく。
中には…。





悲鳴が響くが騒ぎにまぎれてかき消えた。





それは出口を求めてさまよっていく。






「ちょっと!いい加減にして!」
飛び蹴りと回し蹴りを炸裂させながらエルダーは出口を探していた。





「エルダー…。」





疲れが見え始めたジャスミンにエルダーが駆け寄る。





「ジャスミン大丈夫?もう少しだからね…。」





白いリスが走る。





甲板へ!





眩しい光が見えた。
そして激しく剣が混じり合う。
強烈な光と風…。



赤髪と黒い肌…。
「セージ!」





一体化した使い獣と赤髪がセージを吹き飛ばした。





マストが衝撃で折れる。
こちらに向かってくる。




ジャスミンを庇うように倒れ込む。




マストが海に落下する。
激しく揺れる船は今にも沈みそうにギシギシと悲鳴をあげていた。





目を開けるとマストの間に赤髪が立っていた…。




ジャスミンを見ている。
「バーカが…。なんで出て来た。」





「ごめんなさい…。」
嬉しそうにしている。





「それが謝る態度か?」




ひたすらニコニコしているジャスミンにエルダーは不思議に思った。
閉じられていたはずなのになんでこんなに…。





船が大きく揺れた。





何か嫌な予感…。





そして…。
それは現れた。
「きゃあ!」





「うわぁ気持ち悪い。」
吸盤を持つ海の獣が確かにいた…。




エルダーは剣を構える。
延びてきた吸盤を切り落とし突っ込んだ。





目を狙う。





だが何かを探すように海の獣が黒い液体を飛ばす。





「!」
咄嗟に交わすも後ろを振りかえる。
狙いは自分じゃない!




「ジャスミン!!」




赤髪が立ち塞がるも液体が直撃して海に落下する。





何本も延びてきた吸盤を切り落としていくもきりがない!
ジャスミンを庇いながら防戦一方になる。





剣が空を舞う…。





吸盤が飛んでくる…。




ダメ…。間に合わない!




目を瞑る。





< 44 / 45 >

この作品をシェア

pagetop