【短】同窓会―episode 2―
「……本当は、死んだ日に、未葵が、俺を救ってくれたから…俺も力になりたかったんだ。
だから、ずっと成仏しなかった。」
瑠。
あの日私が、瑠をほっとけなかったように、私をほっとけなかったんだね。
瑠は、どうして、そんなに優しいのかな。
そう思うと、また止まったはずの涙が、溢れそうになる。
「俺、お前の兄ちゃんみたいなもんじゃん。
彼氏はいなくても、兄ちゃんが側にいてやるから。」
お兄ちゃん。
その言葉に、思わず笑ってしまう。
そっか。お兄ちゃんか。
だから優しいんだね。
…死んだのに、お兄ちゃんが出来た。
「お兄ちゃん、行こ。」
この世界からいなくなるのは、少し寂しい。
でも私には、お兄ちゃんがいる。
「おぅ。」
瑠はそう言って、照れ笑いした。
ねぇ、蒼ちゃん。
蒼ちゃんには、嶋津先生がいるよ。
私にもね、お兄ちゃんがいるよ。
だから、離れても、大丈夫。
また、きっといつか、会えるよね。
その日まで、私、待つからね。
お兄ちゃんと、一緒に。
…完…