【短】同窓会―episode 2―
いきなりそんなことを言われて私は、驚いた、というより拍子抜けした。
「は……な、なに、からかってんの?」
「からかってない。」
見ると水城は、いたって真面目な顔をしていた。
水城のそんな表情に、ドキッとした。
「私と水城じゃ、釣り合わないよ…。
きっと馬鹿にされる。」
「んなことない、お前は可愛い。
いちいち言わせんな馬鹿。」
……やっぱり水城はずるい。
真っ赤になった顔を見られまいと、私は背を向けた。
「で、どうなの、お前は。篠田。」
そんなこと、最初っから決まってた。
「私も…好きです。」
顔は見れなかった。
声が震えた。
「だと思った。」
あっさりそんなことを言われたので水城の方を見ると、顔が真っ赤だった。
「水城……?」
「ごめん嘘。
あーよかった!もう俺、絶対駄目だと思った!」
すごくすごくいい笑顔を見せた。
私に初めて彼氏が出来た瞬間だった。