【短】同窓会―episode 2―
「おい、篠田未葵(シノダ ミサキ)。」
私が振り返ると同い年ぐらいの男の子が立っていた。
「誰………?」
男の子は無表情だった。
蒼ちゃんとは正反対だな、と思った。
「俺は今日死んだ、
秋山 瑠(アキヤマ ルイ)だ。
お前も今日死んだ、そうだろ?」
秋山はそう言って私の亡骸を指差した。
その横には涙を流し悲しむ蒼ちゃんと両親。
「死んでなんか、ない。」
なんとなく秋山の物言いが嫌だった私は違うことを知りながら言った。
「ガキみたいなこと言うなよ。」
相変わらず無表情で秋山は言った。
「だって、死にたくなかった。
お母さんも、お父さんも…蒼ちゃんも、みんな大切なの。
あたし、こんな風に悲しませたくなんかなかった!」
関係のない秋山についあたってしまう。
私が死んだのは、病気のせいだった。
自分で望んだ死じゃ、なかった。
「ふーん…。」
秋山はそう言ってしげしげと両親と蒼ちゃんを見た。
なんだか、それが無性に腹が立った。