【短】同窓会―episode 2―


「なによ。
なんかおかしい?」


私が強い口調で言うと、秋山は、


「いや…つーか、羨ましいよ。」


そう言って悲しそうな目で私を見た。


そんな予想外の反応に、戸惑う私。


「俺は、悲しんでくれる人なんていない。
自分で死を選んだ人間だからな。」


無表情だと思っていた秋山は、違う、無表情じゃなくて……。


寂しそうな表情をしていたんだ。


……この人も、きっと、私と同じ思いをしてるんだね……。


「……秋山。
どっか行こう?」


私はそう言って秋山の手を引っ張る。

幽霊同士だと触れるんだな、なんて思いながら。


「え…?
でも、家族とかは、もういいの?」


驚いた表情で私を見る秋山。


「もういいの。
行こう。」


どこに行くかはわからなかった。

でも、秋山の、笑う顔が見たくて。
がむしゃらに、駆ける。




< 4 / 20 >

この作品をシェア

pagetop