僕らの時間〈4〉
「お前の前から消えてから、もう逢わんって誓ってんけど…

―――――無理やった。

…お前が出てくんねん。

誰かと結婚して幸せな家庭作ってくれてたら、それだけで満足やって思ったけど…」

「高原…」

「もう遅いかもせん…。
お前の傍や無いとあかんねん」

綺麗な涙が零れている。

俺は何で、こいつが苦しんでる事に気がつかんかったんやろう。

こいつは自分中心に見えるだけで自分より他人の事ばっかり考えて自分の事は後回しな奴やった。





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