執事と共に謎解きを。
春樹は、とっさに恵理夜の腕を引いていた。


防弾ガラスに、弾痕が出来ていた。


「その車、止まれっ」


窓の外から怒鳴り声が聞こえた。

気づけば、数人の男が車を取り囲んでいた。


「春樹」


恵理夜は、その通る声でその名を呼んだ。

春樹は、まっすぐと恵理夜を見据え次の言葉を待った。


「行きなさい」


傲慢な、それでいて優雅な声がそう告げる。


「貴女が望むなら」


春樹はそういって車を飛び出した。
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