執事と共に謎解きを。
「失礼します」


薬を携えて、春樹が戻ってきた。


「おおそれだよ春樹。ぜひ、役立てておくれ」

「感謝いたします」

「私からも、本当に感謝いたします、叔父様」

「いやいや、一刻も早く薬とレポートが戻ることを祈るよ。では、失礼」


そういってシラヤナギは春樹の開いた扉から出て行った。

恵理夜は、落ち着かない気持を抱えたままその背中を見送った。

扉の向こう、シラヤナギの気配が消えきらない内に、ふと、春樹が顔を寄せた。


「お嬢様、少し気になったことが……」

「どうしたの」

「……実は」


春樹の言葉に、恵理夜は思案気に頬杖をついた。


「なるほどレポートがね……」
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